花粉症に対する炭酸ガスレーザー手術について

スギ花粉症の患者さんは成人の約20%、都会では約25%の割り合いで認められます。そのうち約30%の方しか治療のため診療所をされていません。

花粉症の患者さんの多くが仕事をもっておられ、そのため忙しくて医療機関に受診できず、がまんするか、市販の薬で治療しているのが現状です。

花粉症の患者さんもその専門の医療機関へ受診する事で、複数の治療法から自分のライフスタイルにあった治療を選択できます。
当クリニックも花粉症の患者さんに3つの治療法(薬、注射による免疫療法、レーザー)を選択してもらっています。

そのひとつが炭酸ガスレーザー手術です。
この手術はアレルギー性鼻炎(花粉症も花粉に対するアレルギー性鼻炎です)の治療法では比較的新しい治療法で、最近は開業医レベルでも多く行われている安全な手術です。

入院の必要性はまったくなく、日帰りできます。
手術中や手術後もほとんど出血なく、また、局所麻酔で手術を行い、痛みもほとんどありません。小学2年生の子も当クリニックで手術を受けました。

手術時期はスギ花粉が飛ぶ前に1回だけ行います。
大阪ではだいたい2月上旬から中旬頃に花粉が飛びはじめますので、1月から2月中旬(バレンタインデー頃)の間に手術を行います。花粉が飛んでからはでは手術はできません。

手術方法について

具体的な手術法は座った姿勢で行います。
鼻の中に麻酔液をひたしたガーゼをいれて、約20-30分後にレーザーで鼻の中の粘膜を焼きます。「焼く」という事で熱さや痛みがあるように思われますが実際は麻酔が十分に効いていますので、熱さ・痛さはほとんどありません。手術時間は10-15分程度です。

副作用・術後について

術後の副作用としては術後2-3日は鼻づまりや鼻水が続くことがあります。まれに鼻血がでることがあります。
しかし当科で今まで500例以上のレーザー手術を施工しましたが、大きな副作用はありませんでした。

平成16年、17年、18年、19年、20年、21年の当クリニックでの花粉症レーザー手術の件数は、それぞれ63例、113例、82例、60例、98例、109例で、前年度と比べて症状が軽くなった患者さんは約7割でした。全く薬を使わずにすんだ方もおられ、症状がでて一時的に薬を使った方もおられます。

ただ、平成17年、21年のように爆発的にスギ・ヒノキ両花粉が飛散した年は、薬も併用された方も例年に比べて多くおられます。
この手術は健康保険適応ですので、3割負担の方で約9,500円です。ただし薬代は別です。

手術は本人が納得された上で受けることが理想ですので、疑問に感じられることがありましたら、気軽に御質問ください。