アデノイド

◆アデノイドはどこにあって、どんな働きをしているのか
のどの中にはたくさんのリンパ組織があります。このリンパ組織はからだの外からはいったばい菌をやっつける役目をもっています。
カゼなどをひいてしまうとのどが赤くはれたり、首にグリグリができたりするのもリンパ組織がばい菌と戦っている証拠です。

アデノイドもリンパ組織であり、鼻の突き当たりで、のどちんこのさらに奥でまだ上の方にあります。

アデノイドは子どもはだいたい大きいものです。 3-7歳で最も大きくなり、その後しだいにちぢんでいき、思春期にはほどんどなくなります。

◆アデノイドがおおきいとどんな症状がでるのか
アデノイドは鼻と耳とのどの交差点にあり、アデノイドが大きくなると耳や鼻の症状がでてきます。 まず、アデノイドが大きくなると鼻の奥がつまるので、鼻がつまったり、鼻で息がしにくくなります。 また、いびきが出てきます。

さらにいびきがひどくなると、ときどき息がとまる場合があります。これが最近話題になっている『睡眠時無呼吸症候群』と呼ばれる病気です。

また、アデノイドが大きくなり耳と鼻をつないでいる管を圧迫して、中耳炎や滲出性中耳炎をおこしてしまいます。

意外なところではアデノイド肥大により顔つきが変わってくることもあります。鼻がつまるのでいつも口をあけて息をしており、 だからいつもポカンと口をあけている独特の『アデノイド顔貌』とよばれる顔つきになります。
歯並びが悪くなり、鼻と口の溝がなくなり、顔の緊張がなくなります。呼吸がしにくいので、活発でなくなり集中力が低下してきます。

◆『睡眠時無呼吸症候群』とは
人は寝るとのどの筋肉がゆるんでしまい、正常な人でも息をする通路がせまくまります。アデノイドや扁桃腺が大きいとさらに息の通路がせまくなり睡眠中に呼吸がとまる場合があります。

たとえば、よく寝ている子どもが突然に寝息が聞こえなくなり、息がとまってしまい、しばらくすると「ハアー」という深いため息とともに再び呼吸をする状態を繰り返すようなお子さんは要注意です。
睡眠中に息がとまっている状態が10秒以上続き、このような呼吸停止が7時間の睡眠中に30回以上あれば『睡眠時無呼吸症候群』という病名がつきます。

この病気の子は息が十分にできないために、胸の発育が悪くなり鳩胸や漏斗胸になったりします。また、心臓にも負担がかかり心臓が悪くなります。

◆アデノイドを手術でとるのはどんな場合か
アデノイドが大きすぎて、以下のような症状や病気が併発している場合です。たとえば鼻づまり、中耳炎による難聴、中耳炎の繰り返し、睡眠時無呼吸症候群などです。

手術は全身麻酔でおこない、入院期間は約5-7日です。