鼻出血について

鼻出血 (鼻血)はいろいろな原因で起こります。
ただ、 その7~8割は、鼻中隔の比較的前方の 「キーセルバッハ部位」 (図参照) と呼ばれる部位の粘膜 部分からの出血です。
キーセルバッハ部位はいくつかの血管からの血流が集まってくる部分であり、粘膜下の血管が豊富なところです。
また、鼻の前方にあって指が届くため、 特に小児の場合で は指でいじりやすい部分でもあります。 そのため、 小児の鼻出血のほとんどがこのキーセルバッハ部位からの出血であり、心配なものではあり ません。 この部位からの出血であれば、 多少繰り返しても、 まず貧血にな ることはありません。

キーセルバッハ部位からの鼻出血が生じた場合は座位あるいは半座 位で、ややうつむいて、鼻翼(小鼻)を5分間以上しっかりとつまめば止血できる場合がほとんどです。 のどに回った血液は口から静かに吐き出 させてください。 自分の血液なので飲んでも問題ありませんが、あとで 気持ち悪くなる場合があります。 止血したあとはしばらくは、鼻をかむ、 鼻をいじる、激しい運動を行う、熱いお風呂に入るなど、体がのぼせるようなことは避けてください。 出血を起こしている傷が治るまでは、鼻出血を繰り返すことがありますが、 普通は1~2週間で出なくなります

また、まれではありますが、ほかの原因で鼻出血を来すこともあります。血液の病気や遺伝的な病気がある場合、鼻の中に血が出やすい腫瘍がある場合などです。
これらの場合は、 鼻出血が長期に続いたり、のどのほうに大量に回ったりします。 その場合は耳鼻咽喉科の医師に診てもらった ほうがよいので、病院を受診してください。

 なお、「慢性副鼻腔(いわゆる蓄膿症)」 「アレルギー性鼻炎」 などがあると、どうしても鼻への刺激や鼻いじりなどが増え、鼻出血の頻度が増すことがあります。 このような病気がある場合は、耳鼻咽喉科で治療する ことをお勧めします。