副鼻腔炎(蓄膿症)

◆鼻と副鼻腔炎の関係
鼻とつながっている洞穴を副鼻腔といいます。
副鼻腔にはほっぺたにある上顎洞、目と鼻の間にある篩骨洞、おでこにある前頭洞があります。

これらの洞穴は鼻と細い管でつながっています。

◆副鼻腔炎(蓄膿症)とは
かぜをひくとまず、鼻の炎症がおこります。
はじめは鼻水はサラサラしていますが、かぜが長引くと鼻水がねばっこくなってきて、さらに鼻水の色は黄色や緑色になってきます。こうなると炎症は鼻だけではなく副鼻腔にまで飛び火します。

そして、副鼻腔に長い間ねばっこい鼻水がたまってしまいます。これがいわゆる副鼻腔炎(蓄膿症)になっている状態です。

蓄膿とは膿が副鼻腔にたまることをいっているのです。 鼻水がねばっこく、黄色になっていればすぐに近くの耳鼻咽喉科で見てもらって下さい。
鼻から鼻水を十分に吸いとってもらい、ネプライザーで鼻へ直接薬を入れることができます。 いつまでも鼻水をほっておくとなおりも悪くなります。

また、鼻は耳とつながっていますので、鼻のばい菌が耳へ移動して中耳炎にもかかりやすいです。

◆子どもでも蓄膿症の手術はできるの
特別な重症例をのぞき蓄膿の手術はやりません。
なぜなら子どもの蓄膿はちゃんと治療さえすればなおることが多いことや、手術によって成長しつつある顔の骨をけずったりすると、顔の発育に影響がでるためです。

◆鼻がでれば早めに耳鼻咽喉科へ
ふつうお母さんは子どもさんが『鼻がでればカゼをひいた』ということで小児科へつれて行くでしょう。 けれど鼻の症状が気になるとか、ひどい場合は耳鼻咽喉科へかかった方がいい時もあります。

鼻は直接診察しにくいところですので鼻が専門の耳鼻咽喉科医が診察しないとよくわかりません。
鼻を奥までしっかりみてから、薬をスプレーして鼻水を十分に吸い出してから、 ネプライザーで薬を霧状にしてから、鼻の奥と副鼻腔まで吹き入れます。

ネプライザーは直接患部に薬を入れるので蓄膿のなおりも早いのです。
そして飲み薬もだします。このように耳鼻咽喉科では直接鼻に対する治療と飲み薬の両方の治療ができるのです。鼻をうまくかめないお子さんは必ず耳鼻咽喉科で治療して下さい。

◆鼻の正しいかみ方
鼻水がねばっこいとなかなかうまくかむことはできません。また、無理やり強くかんでしまうと耳に負担がかかり耳を痛めます。

正しい鼻のかみ方は、片方ずつゆっくりとかむことです。
でてこない鼻水は無理やりかまないことです。軽くふつうにかんででる分だけ出すことです。それでまだ鼻水が残っているようでしたらこまめにかむことです。

中には鼻水をすすってしまう子がいますが、これは中耳炎の原因となるので絶対にやめて下さい。